研究概要
本研究室は,「創造的活動の本質をデータで明らかにする」 ことを理念とし,プログラミングや音楽といった知的・創造的活動の過程や成果に宿る価値を,データサイエンスの手法を用いて定量化・モデル化しています.その根底には,多様なデータの統合から新たな知を引き出すという思想があります.
この方法論は,観光・運転・スポーツなど実社会における人間行動の分析にも展開しており,創造的活動で培った定量的アプローチを,より広い実践的課題の解決にも応用しています.
特に,ソフトウェア工学と音楽情報科学を二大柱として,エディタログ解析や音楽情報処理技術,最新のAI技術を融合させ,教育現場や産業界における実践的な課題解決と,人間と機械が協調する新たな知的活動のあり方を探究します.
研究テーマ
上記の理念のもと,本研究室では以下の2つの領域を主要な研究テーマとして掲げています.
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プログラミング行動解析による「開発知」のモデル化とその実践応用: エディタログや生成AI利用履歴などの開発プロセスデータを分析し,学習者やエンジニアの思考過程・認知負荷・作業特性をモデル化する研究を行っています.
- スキルアセスメントと可視化: 行動データからエンジニアの熟達度や成長過程を定量的に評価・可視化する手法を開発し,採用や育成のエビデンスとしての活用を目指します.
- 次世代の学習・開発支援: モデル化技術を基盤に,AIとの対話を活用した学習支援システムや,AI共生時代の新たなソフトウェア開発環境を構築します.
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音楽データ解析による「音楽表現知」のモデル化とその実践応用: 楽曲構造や演奏表現に関するデータを,データサイエンスと音楽理論の両面から分析し,作曲者や演奏者の創作意図・表現特性・構造的特徴をモデル化する研究を行っています.
- 表現分析と可視化: 歌詞と旋律の対応関係,演奏録音の表現特徴,楽曲構造の分析を通じて,作曲者・演奏者の意図や表現の特徴を定量的に可視化し,音楽理解や評論における新たな視点を提供します.
- 音楽情報システムの開発: 感情やシーンといった主観的情報に基づく楽曲検索システムや,作曲・編曲支援ツール,音楽理論学習システムの開発を通じて,音楽の発見・創作・教育の現場を支援します.
学生の指導方針
本研究室の指導方針は,学生一人ひとりの自律性と探究心を最大限に尊重し,創造的活動の本質をデータで捉え,社会に新たな価値を生み出せる人材の育成にあります.育成目標として,以下の3点を柱とします.
- 自由と責任に基づくテーマ設定: 学生自身の強い興味・関心を起点とし,研究室の専門分野である「創造的活動のデータ分析」と交差する領域で,研究テーマを自由に設定することを奨励します.実社会における人間行動の分析など,幅広い応用テーマにも取り組むことができます.この自由度のもと,学生は主体的に課題を設定し,解決へ導く責任感を養います.過去の具体的な研究テーマは,ゼミ研究テーマをご覧ください.
- 実践的なデータ分析能力の習得: 理論の学習に留まらず,音楽演奏データやプログラミングエディタログといった生きたデータ(実世界データ)を取り扱う実践的な研究を通じて,データ収集,前処理,分析,可視化,そしてモデリングに至る一連の高度なデータサイエンススキルを徹底的に習得します.
- 実習・アウトプットを通じた発信力の強化: 本研究室では,専門職大学として実践的な実習と学術的な探究の両立を重視しています.全国大会や研究会での学会投稿といったアカデミックな活動と並行し,コンテスト形式のアクティビティを通じて社会の課題解決や新たな価値創造に挑むことを積極的に奨励しています.